のりおです。
先日、ロバート・チェンバースの参加型ワークショップに行ってきました。
この方は開発業界、特に社会開発の分野にいる人なら皆名前を聞いたことがあるような先生で、参加型開発手法を開発し、開発の現場に導入してきた大御所です。
英語のwikipediaの方が研究内容に詳しいですし、ここからご本人の論文にも飛べるので英語で読む体力のあるかたはこちらからどうぞ。参加型開発についての概要はこちらを。 本もたくさんあるのでアジ研の図書館ウェブサイトなどで検索してみてください。
さてチェンバース氏主催の参加型ワークショップはこれまで3回機会があったのですが、今回のものは前回の参加者が「今回のが一番目からうろこだった(*英語を意訳)」と評しているような、視点を変える方法を学ぶ機会だったと思います。
こちらがチェンバース氏、御年85歳。しかし元気。ワークショップは朝から夕方までぶっ通しなのですが、それを土日2回に分けて一人で開催・仕切りきるのですから、驚嘆です。
今回のテーマは権力・立場関係について、また季節によって貧困具合が変わる場合の現実の捉えづらさについてのワークでした。
細切れのワークが1時間ごと程度にいくつもあり、それにその都度作られたグループごとに取り組んでゆく感じです。
ワークショップの内容を学ぶだけでなくて、チェンバース先生のワークショップの仕切り方などからも学習せねばと思い先生を観察していました。手法はかなりアナログで、電化製品は一切使いません。スライドを見せるときのみ唯一、透明のフィルムに文字や図が書かれたものを光を通して壁に写す機材で行っていました。(そしてわたしはその機材の名前がわからない)
IDSとGlobal Studiesそれから教育学の方面からも、開発に関わる修士課程以上の学生が皆集う機会、いろいろな人に会えるのも面白かったです。IDSはサセックス大学の中にはありますが、それ自体は独立した研究機関で、学生も職務経験を持っている人がほとんど、政府からの派遣の人も多い大学院です。しかしそれ以外の学部では学部から上がってきている人も多いので、年齢層も多様でした。そんなメンバーが床に座り込んであーでもないこーでもないと紙をペンを手にワークをするのは、きっとオフィスなどでは難しいでしょう。参加型開発の手法はホワイトカラー(候補者)が仲間意識を高めるためにも有効でした。休憩時間にはコモンルームにコーヒーとビスケットが準備されており、これもきっと参加型ワークショップの仕掛けの一つなんではないか、、、と思っています。ちゃんと本を読んで見なければ。そんなこんなで、秋は更けていきます。
皆様お風邪など引かず、お元気でお過ごしください。