サセックス大学の
STEPS主催で、「ドーナツ経済学」という概念を提唱しているケイト・ラウォース博士のセミナーがありました。

彼女の著書は「ドーナツ経済学が世界を救う: 人類と地球のためのパラダイムシフト」という名前で日本語訳もされています。
もうこのプレゼン何度も行っているのでしょう、とても人を引きつけるのが上手くて、聴衆はレクチャー後に写真撮影の列をつくっていました。
名前もキャッチーで、コンセプトのビジュアルデザインがわかりやすいので広く浸透しそうだし、2030年までの国際的開発目標であるSDGsをしっかり組み込んで国連のメンツを保ちながら政策提案できそうだし、そのあたりまでよく考えてある様子でカリスマ性を感じました。聞きながら、イケイケやな〜..と思っていました。
質問ではパワー・ポリティクスでどのように受容されうるのか、先進国主体の視点で途上国の都合が反映されていないなどの声が上がっていたので、このような問題点が今後学術界で議論されていくのでしょう。
プレゼンで紹介された21世紀の経済学者
わたし去年経済学をかじったときに、「GDP(国内総生産)をずっと上げていった、その先には何があるんだ...到達点はどこなんだ...」ってモヤっとしたんですが、知識不足でそれを学問の語彙で説明できず、「自分がアホやからわからんだけかな...ダメだ経済学むいてない」としか思っていなかったんです。 きっと会場に居た人たちの中にもずっと言葉にならない違和感をかかえていた人がいたはず。このセミナーでエキスパートがスッキリバッサリ現在の政治経済の状況を批判したことに非常に歓迎的な拍手などのリアクションがあったことからそれがうかがい知れました。
関係ないんですけど最近サッカーの本田選手が人類学者のグレーバーの著書「負債論」をtwitterでおすすめして日本語訳が品薄らしいというニュースを聞いて、面白かったです。あれめちゃくちゃ分厚いので誰が読むんだろうと思っていました。彼はアナーキスト人類学という名前で学問をしている人で、イエールを首になり英国UCLにいるらしい。現行の資本主義に喧嘩売りたい方は「アナーキスト人類学のための断章 」から読むと良いのかもしれません。
名乗るの忘れてましたけど、まあ私のりおですよね。
では。